日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク * 活動報告

第146回 大阪駅前水曜集会




日  時 : 2018年10月3日(水) 19:00〜
会  場 : ヨドバシ梅田前

【報告】

日暮れと共にスタートした水曜集会、まずは関西ネットからサンフランシスコ訪問の報告をしました。
これは、9月22日の日本軍「慰安婦」メモリアル碑(正式名「慰安婦:力の柱」)1周年記念式典参加をおもな目的に訪問したもの。最初に市庁を訪れ、ブリード市長と市議の皆さん宛てに「私たちは今後も、安倍政権や吉村大阪市長の歴史修正主義と闘い、「慰安婦」問題を解決して、女性の人権が尊重される社会の実現に向けて、SF市民のみなさまとの連携を強めていきます。」と書いた要望書を市長秘書に手渡したものの、支持者の中に碑の建設を快く思わない日本関係者も多いとされる現市長にはプレッシャーもあるのか、あまり周辺に歓迎の雰囲気が感じられなかったこと。しかし、記念式典に参加した多くの市民や議員ら来賓は、関西ネットメンバーの来訪によって、吉村市長の考えが大阪市民全体の声ではないと知り、大変喜んでくれたこと。米国屈指の多文化共生社会SF市の雰囲気を反映してか、式典後のパレードは明るく活気に溢れていたことなどを伝えました。



恒例パウィチョロムの踊りに続いて、ヘイトクライムと闘い続けている李信恵さんのお話がありまし た。6月、大阪高裁で、「保守速報」の記事について「人種差別と女性差別の複合差別であり、社会通念上許される限度を超えている」と認定され、在特会を訴えた裁判では昨年11月最高裁で全面勝訴を勝ち取れたのも、皆さんの支えがあってこそと語られた信恵さん。最近は沖縄で石川真生さん写真展のお手伝いをされ、沖縄の「慰安婦」被害女性の写真が心に深く残ったそうで、歴史をなかったことにせず正面から捉えて伝える大切さや、隣人の尊厳や命を奪う差別に対して沈黙しない、諦めない心の大切さなどを話してくださいました。



カードセッション「花ばぁば」に続いて、朝鮮高級学校無償化連絡会大阪の長崎由美子事務局長から無償化裁判高裁不当判決の報告がありました。この判決は国の差別を司法がそれで良いと認める内容で、無償化に関する法的な問題には何も触れず、朝鮮高級学校は朝鮮総連系列の会社が作った教科書を使っているから適正に運営されているとは言えないなどと決めつけたもの。しかし、夜の報告集会で、台風被害に遭った朝鮮学校への支援金を携えて来日された金福童ハルモニと吉元玉ハルモニが登壇され、学ぶことの大切さを伝えて子どもたちを励ましてくださる姿に、保護者ともども勇気をもらい、諦めずに闘う思いを新たにしたと話されました。

また、城北朝鮮初級学校を支える会の方は、お二人のハルモニが学校を訪問し、台風被害の酷さを目 にして心を痛めてくださったこと、子どもたちに向かい、福童ハルモニは民族の矜持をもって生きるよう訴えられ、元玉ハルモニは歌を聴かせてくださったことなどを報告されました。このお話の間に台風被害へのカンパ袋を参加の皆さんに回したところ、5万円以上集まり、喜んでいただくことができました。



続いて、沖縄辺野古でカヌーチームの一員として奮闘している若者からアピールがありました。安倍政権は10月9日の翁長知事県民葬が済み次第、埋め立て承認撤回の差し止め訴訟を行うにちがいなく、差し止めが認められれば、また辺野古基地建設工事の強行が始まるだろう。この基地建設は日米のSACO合意に基づいているが、SACO合意は「慰安婦」被害者抜きの日韓合意と同じく、当事者の意思を無視して行われたものであり、こうした「合意」と称するものは、同意に基づかない性行為がレイプと認定されたように、暴力にほかならないという訴えから、若者の闘う決意が伝わってくるようで、心強く感じられました。



アピールの最後に、サンフランシスコ訪問に参加された方が、記念碑を建てた「慰安婦」正義連盟の建立に際しての宣言を紹介してくださいました。それは「(碑に表現された)これらの女性たちは世界のひとつの記憶をあらわしています。・・・戦争の際に男性にとっては普通の行いと長い間考えられてきたことを変えることに貢献し、今もなお貢献している記憶です」というもの。「慰安婦」被害女性の声が世界を変えていっているにもかかわらず、記念碑に反対して姉妹都市を解消した吉村市長の行動には、「男性にとっては普通の行いという考えを変えようとしない本音」が表れているのではないかという指摘は鋭く本質を突いているように思われました。



シュプレヒコールでは、「被害者置き去りの「日韓合意」は解決ではない!」「朝鮮学校の子どもを差別するな!」「吉村市長のサンフランシスコ姉妹都市解消を認めないぞ!」などの声を上げ、盛りだくさんだった水曜行動を締めくくりました。



2018年10月03日(水) No.64 (報告)

No. PASS