日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク * 活動報告
もっと知ろう!日本軍「慰安婦」問題と戦時性暴力 韓国の若者たちが被害女性によせた思い ユネスコ世界記憶遺産登載申請嘆願ハガキ日本巡回展in大阪
日 時 : 2018年10月6日(土)10時〜7日(日)17時
会 場 : クレオ大阪中央
【報告】
今回のパネル展は、韓国の若者たちが嘆願ハガキや詩文、絵画を通して日本軍「慰安婦」問題について学び、表現したものを日本の市民、若者たちに公開することで、ともに考えようと企画されました。
展示されたのはユネスコ国際連帯委員会メンバ−である「日本軍「慰安婦」ハルモニとともにする統営・巨済市民モイム」が保有するハガキや詩画のほか、統営、巨済地域出身のハルモニたちの写真と紹介など。合わせて関西ネットでは「慰安婦」問題とは何か、経過や流れが分かる展示物を作成しました。パネル展示にあたっては市民モイムと関西ネットで議論を積み重ね、翻訳などの共同作業を通じて開催にこぎつけることができました。
「日本軍「慰安婦」ハルモニとともにする統営・巨済市民モイム」 展示
韓国の若者たちが被害女性によせた思い〜韓国の若者が描いた詩画
ユネスコ世界記憶遺産登載申請嘆願ハガキ日本巡回展
トンヨンのハルモニを紹介するパネル
関西ネット 展示 「日本軍『慰安婦』問題ってなーに?」
7日は展示と合わせて午前中は「終わらない戦争」などのビデオの上映会、午後からは、市民モイム代表の宋道子さんと東北アジア歴史財団研究委員の朴貞愛さん、関西ネットから方清子さんの3名によるセミナ−を開催、約50名が参加しました。
宋道子さんは、「慶南地域日本軍『慰安婦』被害の聴き取り調査の意味と課題」と題して報告しました。1990年代、市民団体と韓国政府は被害者申告センタ−を設けて調査を行ったものの、個別被害の実態調査が置き去りにされてきたとし、2015年以降、新たに市民の手による被害者の調査・発掘と記録作業を重ねる中で多数の推定被害者を発見するに至った経緯について話されました。結果、慶南地域で新たに日本軍「慰安婦」推定被害者を190名、アメリカの資料による発見者と合わせ、210名になったことを報告、こうした資料の発掘、調査、記録は名のり出ることなく亡くなられた被害女性を代弁する貴重なものであると強調されました。
朴貞愛さんは、「口述と文書、写真を通して考える日本軍「慰安婦」被害女性のはなし」と題して報告。金学順さんのカミングアウトが世界を揺るがし、アジア各国と、オ−ストラリアのオヘルネさんらが立ち上がったこと。2000年の女性国際戦犯法廷で日本軍の有罪が確定し、加害者を処罰すべきという訴えが強くなるなかで調査活動も活発になったと話されました。日本軍と連合軍の公文書や、捕虜尋問資料を通して調査した結果、金ソランさんのフィリピン地域の被害状況、朴ヨンシムさんの証言から中国雲南省松山の被害状況、さらに、トラック諸島からの帰還船名簿に26名の少女たちがいたことから、李ポクソンさんに突き当たった過程など、調査の意味について語りました。
最後に関西ネットから立ち上げから10年の歴史を振り返り、多くの困難をのり越えてなお厳しい状況にあるものの、今後も連帯した力で取り組んでいくことを確認して終えました。
2018年10月06日(土)
No.69
(報告)
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