日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク * 活動報告

日本軍「慰安婦」・徴用工問題「解決済み」のウソ 〜日本政府は加害責任を果たせ〜





日  時 : 2019年2月9日(土)14:00〜
会  場 : ドーンセンター 1F パフォーマンススペース

【報告】




日本が朝鮮半島から連行し強制労働をさせた人々は、66万人以上(1945年厚生省調査)とも72万人以上(1947年頃大蔵省調査)とも言われます。しかし、冷戦構造下で日本の「侵略戦争と植民地支配の責任」は封印され、今日に至っています。


丹羽雅雄弁護士

「1965年の日韓請求権協定には、請求権に関する問題が『完全かつ最終的に解決された』とあるものの、請求権の原因は明記されず、何が解決されたかは不明確。そもそもこの条約は、日本政府が36年間の植民地支配を合法とする立場で結んだもので、預金など法律上の合法部分を前提とし、植民地支配責任や戦時における人権侵害は未解決の問題である」と、丹羽弁護士は指摘されました。そのことが、「徴用工」とされた人々の長い闘いを経て、2012年韓国大法院の「植民地支配に直結した不法行為による損害賠償請求権が、請求権協定の適用対象に含まれていたとみることは難しい」という判決を生みました。そして、2018年の、日本企業に対し「元徴用工」への賠償を命じる大法院判決へとつながったのです。
 
この判決に対して、日本政府は「国際法上ありえない」と非難をしていますが、1963年、原爆被害に関して「サンフランシスコ平和条約は、日本国民の米国に対する損害賠償請求権を放棄したものではない」という立場を明確にしており、日韓請求権についても1991年の国会で、外務省条約局長が「個人の請求権そのものを消滅させたわけではない」と述べています。
 
丹羽弁護士は、「過去の歴史と向き合うことは未来への責任を果たすこと」という言葉で話を締めくくられました。  


市場淳子さん

続いて市場淳子さんから、広島三菱徴用工被爆者の裁判闘争の報告がありました。この闘いは、ソウルに初めてできた地下鉄で三菱製の車両が走るのを見た被害者たちが「韓国原爆被害三菱徴用者同志会」を結成したことから始まったもの。判決後、和解に向けた話し合いが続いているものの、三菱重工は「支援者とは会うが、原告とは会えない」と言っているとのこと。

政府や日本企業に過去の歴史と向き合うよう求めることが、私たち市民の、未来への責任ではないでしょうか。

2019年02月09日(土) No.32 (報告)

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