日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク * 活動報告

韓国の #MeToo 運動と新たなフェミニズム ー「慰安婦」問題解決運動が切り拓いたものー




日  時 : 2019年10月8日(火) 18:30〜
会  場 : ドーンセンター 大会議室

【報告】



集会冒頭、10月5日急逝された森川万智子さんを偲び、全員で黙とうしました。

森川さんは文玉珠ハルモニとの出会いから、ビルマへの訪問などハルモニの足跡をたどる取り組みをされ、2017年に関西ネット主催で講演会を開催、当時の写真が紹介されました。



李ナヨンさんは2018年、ひとりの女性検事の告発から若者を中心に韓国社会にあふれ出した#MeToo運動とその後の展開について紹介、韓国における新たなフェミニズム運動の波について報告されました。



その背景に、70~80年代の軍事独裁政権下での抵抗と民主化を求めて闘った女性たちの存在があり、進歩陣営の中にあっても家父長的価値観の押し付けがあり、これに抵抗する中で様々な女性団体が生まれた過程を紹介、その一つが韓国挺身隊問題対策協議会でした。

さらに、1991年の金学順さんの告発こそ#MeToo運動の始まりで、それはまた、女性の権利を普遍的人権と主張する国際社会の流れとも連なりました。

加害者を処罰する法や制度すらなく、性暴力を受けた女性が「貞操に対する罪」に問われたり、性売買が淪落行為と言われる韓国性暴力社会で女性たちが挑戦状をたたきつけて立ちあがりました。こうした動きに「慰安婦」問題は大きな影響を及ぼしました。

政治社会経済全般にわたって力強く変化を呼び起こす女性たちの存在を、そして、そこに至る過程で「慰安婦」被害女性たちの存在があったことを強調して講演を結びました。



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当日のパワーポイント映像および配布資料にある、女性たちが集会参加を呼び掛けるポスターの中に「生物学的女性のみ参加可能」という文字があり、会場よりトランスジェンダーに対する差別、排除ではないかという質問がありました。

講師より納得のいく回答が得られず、時間の関係で議論を深めることもできませんでした。

この件について、韓国語資料の翻訳段階で気づきながらも事前に講師に問いあわせるなどしなかったことで、主催者側の意識も問われることとなりました。その場に当事者の方がおられた可能性もあり、傷つけたり、不快な思いをさせてしまったことを大変重く受け止めています。これで終わりにすることなく、今後李ナヨンさんとも議論を重ね、何らかの形でみな様に経過をお知らせできるよう、努力してまいります。
2019年10月08日(火) No.11 (報告)

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